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r-fukai's Diary ausf blogger

木曜日, 4月 28, 2005

最近の読了

「微睡みのセフィロト」冲方丁(徳間デュアル文庫)読了。
YOUNG KING OURSで連載中の「ピリグリム・イェーガー」は大変楽しく読んでいるのだが、「蒼穹のファフナー」は登場人物たちがあまりに馬鹿に見えるために途中で挫折した私が、「マルドゥック・スクランブル」よりも薄いという理由で入門用として購入したもの。ちょっとググってみたら、カルドセプトのノベライズもやってるのかこの人は。
閑話休題。
出てくる固有名詞があまりにファフナーなので(なにせ、主人公の属する組織「世界連邦公安機構」のルビには「マーク・エルフ」と振ってあるのだ)、前半は物語に入り込むのにえらく苦労したりした。そりゃ、ドイツ語の数詞は格好良いですけどね。
んで、物語も後半になって、主人公たちと敵方との超能力バトルのシーンに差し掛かるあたりで、ようやくファフナーの影(というか、この作品の影がファフナーに射しているのだけれど)が気にならなくなってきて、楽しく読了できた。
SFとしては背景説明が足りなさ過ぎるが、アクション小説としては十分に可。というかマンガにした方が面白いんじゃなかろうか、これ。
こういうものだと割り切ってしまえば、普通に楽しめる。「マルドゥック・スクランブル」にも手を出してみるとしよう。

「ラー」高野文緒(ハヤカワSFシリーズJコレクション)読了。
エジプト考古学に対する新説としてはなかなか面白いけれども、あのオチは私の好みでは全くない。もうちょっと根っこの方まで説明してくれないと。つーか、作中で揶揄的に使われているイメージとこのオチって実質同じだと思うんだけどそれで良いのか?
あと、今でも熟練の職人は、研磨中の金属表面の水平を機械を使わずに感知できるので、作中の描写ではちょっと超能力の発現としては弱すぎると思った。発揮する能力で感知できる事象のレベルが宇宙レベルと身体レベルだけで、その中間が失われているというのもなんか変な気がする。

「ホミニッド―原人―」ロバート・J・ソウヤー(ハヤカワ文庫SF)読了。
待ちに待ったソウヤーの新作だ! しかも続き物だ!
ネアンデルタール地球の出来事があまりに安易に進むのがちょっと難といえば難だが(セキュリティホールという考え方そのものがまるでないように思える)、それ以外はSF的説明もドラマも充分にある。冒頭で登場人物の一人が被害者になる犯罪は、この巻ではなくても良いように思えるのだけれども、あれが研究室に残っているということを考えると、先の巻への伏線なのだろう、多分。
というわけでさっさと続きを出してくれ。

「リリアとトレイズ(1)」「ロスト・メビウス―ブギーポップバウンディング」「マリア様がみてる 妹オーディション」なんかも読んでいるが、可及的速やかに続巻を望む、以外に特に書きたいことはなし。