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r-fukai's Diary ausf blogger

月曜日, 12月 20, 2004

謎と不思議の生物史―イラスト図解 こんな怪物たちが実在した!

Amazonの特価本コーナーを見ていたら、「謎と不思議の生物史―イラスト図解 こんな怪物たちが実在した!」などという本が目に付いた。
こういうタイトルの本は、如何に興味の湧きそうな分野のことが取り上げられていたとしても、内容に関してはまったく期待できないことは経験として身に染み付いているので、普段ならスルーするところなのだが、著者が「金子 隆一 (著), その他」だったのでついつい買ってしまった。662円だし。
ちなみに金子隆一という人は、ご存知の方も多いだろうが、味覚糖の恐竜食玩チョコラザウルスの解説文を書いている人である。他にも、「新世紀未来科学」という大著もある。こちらも買ったのだけれど、拾い読みしか出来ていない。
で、こういう読み物系の本は軽い気持ちで取り掛かれるので、週末を使って読み終えてしまったのだけれども、正直に言わせてもらえば微妙な出来の本だった。
エディアカラ、バージェスはこの手の本の定番だとして、その他は、無脊椎動物から節足動物と軟体動物を、脊椎動物からは、順番に、無顎類から始まる進化の系統をたどって魚類から両生類、爬虫類、恐竜、鳥類、哺乳類までをフォローしている。細かく見れば漏れもあるかもしれないが、素人目には妥当で網羅度も高いと思われるチョイスになっていると思う。
網羅度はいいとして、肝心の内容であるが、文章は普通。ただし、イラストになっていない種や、イラストになっているとしても、文中では違う学名で呼んでいたりする種があるのはいただけない。文章だけでどのような怪物なのかが説明されていればいいのかもしれないが、それは「イラスト図解」ではないし、そもそも文章も、その種がイラストに図示されることを前提に簡素な説明になっている気がしてならない。
というわけで、題材は大変面白いと思うのだが、内容は不満の残る出来になっているというのが正直なところで、これを敢えて表現するならば「微妙」という言い方になってしまわざるを得ないのである。
ちなみに、特価本になってしまうのだからさぞかし売れなかったのだろうと思って奥付を見たら、第二刷であった。それなりに売れた本らしい。なんでこれが特価本なのだろう?