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r-fukai's Diary ausf blogger

火曜日, 5月 10, 2005

火星生命の根拠は不自然に多いホルムアルデヒド

http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050510304.html
生化学は門外漢もいいところなので知らなかったのだけれども、ホルムアルデヒドというのは生化学においてはメジャーな物質のようだ。
ホルムアルデヒドの水溶液がホルマリンだということは(実際は同じものかと思っていた)知っていたし、ホルマリンは生物標本の固定液としてメジャーであることも知っていたので(これは知らない人のほうが少ないだろう)、生命活動を阻害することはあっても積極的に利用されるものであるとは思っていなかった。最近ではシックハウス症候群の原因物質として槍玉に上がっている。
良く考えてみれば、固定の原理がよく判っていないことに思い当たった。単にホルマリンが毒物だから腐らないのだろうなどといい加減な理解でいたのだ。それなら固定液の種類がもうすこしバリエーション豊かでもよさそうなものだ。
というわけで原理を調べてみたら、何のことはない。生体の基本的な構成要素である蛋白質を変性させることによって、それ以上の変化を防いでいるということのようだ。詳しくは次のリンクにある(文章の趣旨は違うが、化学反応式まで書いてあるし、科学周辺の読み物として読んでも面白い)。
http://www.nrifs.affrc.go.jp/news/news25/2502-1.html
蛋白質を変性させる作用があるのだから、毒というか身体に害を与えることは間違いない(生体の蛋白質が熱で変性した状態を火傷という)。なるほど、昔持っていた生物の本にホルマリンの瓶を覗き込むなと書いてあるわけである。
えーと、何の話だったっけ。あ、火星の生命の話か。閑話休題。
ちょっと調べた程度では、ホルムアルデヒドが生命活動で直接的に排出される物質であるかどうかは判らなかった。工業合成でもエチルアルコールとは違って、生合成に頼るわけではなくて、一酸化炭素+水素によってメチルアルコールを合成し、それを銀を触媒として酸化させることで合成するようである。
もっと複雑な物質が分解された結果として生成されているのだろうか? もっとも、メタンが生命活動で合成されることは普通にどこでも起きているのだから、メタンからホルムアルデヒドを合成する生命体があってもおかしな話はないように思う(化学的ポテンシャルがメタンよりもホルムアルデヒドが低いことが前提だが)。要調査かな、これは(といって継続して調べたことはあまりないわけだが)。