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r-fukai's Diary ausf blogger

金曜日, 7月 14, 2006

とうもろこしや大豆を燃料とするのは非現実的か?

http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20170308,00.htm
タイトルだけを見ると、バイオディーゼル全般の否定に見えるが、何のことはない、バイオディーゼルに供するならばもっと適した作物がある、というだけの話だ。
また、否定材料の一つである「燃料にまわした分食糧生産が減る」などという言葉は、米国の食料輸出事情を理解していないとしか思えない。
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jki/kyokyu/corn.pdf
この資料にあるように、米国におけるとうもろこし生産の1/10から1/6が余剰分であり、輸出に回されている。余剰分が燃料になったとしても、食糧生産が減ったようには見えないはずである(あくまで米国内だけで見れば、の話である。余剰分も米国内で消費されるようになれば、輸入元の90%が米国である日本はかなり困るだろう)。
まあ、余ったから輸出に回しているという単純な話ではないのだろうし、バイオディーゼル燃料供給にどれだけの量が必要なのかが判らないので余剰分だけでは足りないという話なのかもしれないが、もともとがえらく粗雑な議論なので、このレベルで問題ないだろう。
で、とうもろこしや大豆の代わりとして紹介されている植物は、どうも実などではなく、本体のセルロースを利用してアルコールを作るようだ(実が良質の炭水化物源ならば、既に作物として栽培されていなければおかしいが)。
その技術を使えばとうもろこしの実以外の部分をアルコールにできるのではないかとも思ったりする。
一応、紹介されている植物は他の農作物には不適な土壌や環境でも、それら農作物ほど手間をかけずに育てられるというメリットを持つようなのだが、結局播種と収穫は行なわなければならないだろうし、それらの作業を楽にするためにある程度の土地の開墾も必要になるだろうから、よほど効率が異なるでもない限りは、現行農作物のセルロースを利用することを考えたほうが何かと楽なのではなかろうか(作業プロセスを変更するくらいならば、新規作業を立ち上げてしまったほうが楽ということも、往々にしてありえる話ではあるけれども)。