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r-fukai's Diary ausf blogger

土曜日, 5月 30, 2009

ヒミツのテックガール(平城山工 著)

読了。苦痛だった。
いや、これを「学園小説大賞受賞」とかいう帯を付けて売っちゃいかんでしょう(しかも裏を見るまで奨励賞だって判らないし)。

まず、文章が酷くて何が起きているのかを理解するのに一苦労する。ほとんど「日本語でおk」の世界だ。文脈がくみ取りにくいことこの上ないので、校正の人はきっとひどい苦労をしたに違いない。恐るべくは、あとがきによると「直して」この状態らしい。
また、作者は私には伺い知れぬ独特の言語感覚を持っているらしく、「情報爆発」に「インフォプローブ」というルビが振ってあったりする。プローブって「探針」以外の意味があるんでしょうか? probeじゃない綴りの単語がある?
とどめに、四人の主要登場人物の台詞の書き分けが不十分で、誰が喋っているのかまったく判らない箇所がある。同人小説だってここまでひどいのはあまりない。

テックガールなどという題名がついているのは、日本で唯一の女子工業高等専門学校が舞台だからである(学園小説大賞だし)。つまりテック=工学である。
しかしながら、物語冒頭で科学技術のブラックボックス化を引き合いに出し、「高度に発達した科学は魔法と区別がつかない」とはさすがに書いていないが、工学の成果=魔法という説明をしてしまい、実際に作品中で描かれる現象は魔法か超能力である。
つまらん。
結果として魔法に見えるとしても、ルーディー・ラッカーの「時空の支配者」くらいの大法螺を書いて欲しいもんだ(どういう法螺なのかはネタバレになるのであえて書かない。ヒントは高校物理レベルの量子力学で習うものをいじります)。
この作品でも、2/3くらいのところで主人公の超能力や最後の盛り上がりを彩る実験に対して量子力学的な説明をしているが、普通に量子力学を説明しているだけで法螺になっていない。そこが重要なんだろうが! つまらん。

でもまぁ、主人公以外の登場人物はなんとなく「工学」っぽいことをやっているからまだ良い。
主人公はその周囲の暴走工学に巻き込まれてるだけで、ちっとも工学でもなければ科学でさえない。常識人っぽいツッコミはするが、あくまで一般人的なツッコミに終始し、工業高専に向いた人物とはまったく思えぬ。
一応、物語の中で「なぜ彼女が工業高専に引っ張り込まれたのか」の説明があるのだが、それは単に「超能力者だから」という脱力ものの理由だ。

工学を舐めるな。工学は実学である。モノを作ってなんぼである。理論は後付けで理学部系の人が固めてくれる。それをどうモノづくりにいかすか、理由はわからんが作ってみたらこんなんできました、ということを考えて形にするのが工学者の仕事だ。
そこに「超能力」を持ってるだけの手に職もついてなければ思考傾向も自然科学向けとはとても言えないような主人公を持ってくるな(実際の大学の工学部も、まともに勉強しようとしている人間は1/3くらいしか居ないが)。
もし、この作品の日本語がもっとまともで読み進めるのが苦痛ではなかったとしても、この瑕疵はあまりに大きい。
同じプロットをちゃんとした作家の人が書いたとしても、日本語のレベル以外の不満点は解消されないだろう(それでも大きすぎる前進だが)。

ところで、「学級文庫」って「蓬莱学園」の「旧図書館」のオマージュだよね?(「ネギま」の「図書館島」のオマージュかも知れんが、「ネギま」は「蓬莱学園」のオマージュをカミングアウトしてるから同じことだと思う)

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