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r-fukai's Diary ausf blogger

水曜日, 2月 09, 2005

市民に通報義務を明示的に課す条例案

http://news.tbs.co.jp/20050208/headline/tbs_headline1128028.html
なんか以前に「違法行為を目撃したら通報するのは社会構成員の義務である(が、最近はそうでもない)」みたいなことを書いた気がするのだが、東京都議会は「最近はそうでもない」という点をかなり憂えているようだ。
「本当はこんなことはやりたかないんだけど、そもそも、みんながちゃんと義務を果たしてくれればこんなのは無意味になるからいいでしょ」くらいのつもりで条例を作っているのだろうか。
「悪事を目撃した際に、それをしかるべきところに報告する」という行為は、短期的にみれば確かに余計な手間を要する無意味な行為に見えるかもしれない。そう判断する人間が大多数を占めてしまえば、社会秩序を維持するためのコストが極度に増大してしまうであろうことは火を見るよりも明らかだ。
そう考えると、まぁ悪い話ではないのかな、という感想も出てきそうなものだが、条例とはいえ法の条文に一度なってしまうと、それを撤回させることはなかなか難しく、官僚による恣意的な運用はやり放題という日本の現状を考えるに、この条例案は果てしなく危険なものであると判断せざるを得ない。
というわけで私はこの条例案には反対である。東京都民じゃないから関係ないといえば関係ないんだけど、生活の基盤の半分(もしくはそれ以上)を東京都内に置いているのだから、まったく無関係とはいえないし、住民ではなくともその地方自治体の中にいるかぎりは条例の拘束を受けるのだから、意見を言うくらいのことは許されるはずだ。
話はずれるが、別の自治体に住民票を持つ人間が「その地方自治体にいる限り条例の拘束を受けるのだから、条例の制定に関わる地方議員の選挙に参加する権利を寄越せ」などという発言をしたら、どう思うだろうか? これは、外国人参政権の問題と全く同じ構造なのだが、私は「寝言は寝て言え」という感想しか持てない。