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r-fukai's Diary ausf blogger

水曜日, 4月 06, 2005

ヨーグルトと花粉症の関係

花粉症の民間療法として、ひたすらヨーグルトを食べ続ける(量的にではなく、期間的に「ひたすら」である)というものがあり、Web上を見渡すと成功報告も見受けられる。
私は科学を信奉するものであるから、民間療法であるというだけで眉に唾を付けて見てしまうのだけれども、日経サイエンス2005年5月号に、ヨーグルトの長期摂取が花粉症を改善する可能性について、肯定的な記事が載った。
要約すれば、以下のようになる。
人間の免疫系統にはTh1とTh2の2系統があり、花粉症をはじめとするアレルギー疾患を発症している人は、Th2が優位になっているアンバランス状態であることが多く、Th1とTh2のバランスを取ればアレルギー疾患が収まることも多い。
Th1は、人間の腸内細菌叢(腸内における細菌の生態系のようなもの)によって高まったり弱まったりする。
乳酸菌が腸内細菌叢に加わると、Th1が高まる。
腸内細菌叢は恒常性を持っており、新たな細菌を加えるためには、ある程度長期間にわたってその菌種を摂取し続ける必要がある。
よって、ヨーグルトを長期間摂取すれば、アレルギー疾患であるところの花粉症が収まる(かもしれない)。
なるほど、このように順を追って過程が解明されれば、民間療法といえどもかなりの説得力を持つ。
しかしながら、ヨーグルトというのは結構癖のある食べ物で、毎日長期間にわたって食うべしと言われてそれに従っている自分を想像したら、それだけで気持ち悪くなってしまう。
乳酸菌を摂取することが第一義で、ヨーグルトというのは手軽に入手できる乳酸菌食品であるだけなのだから、例えば乳酸菌製剤では駄目なのだろうか。
理論に従えばそれでも平気だと思われるのだけれども、理論に必ずしも沿った振る舞いはしないのが複雑系である生物であるから、真偽は半々より少し良い、程度だろうか。
長期にわたって行なうことは絶対必要なので、もしうまくいかなかった場合、その脱力感は相当なものであろう。また、乳酸菌食品を摂取することによって作られた腸内細菌叢は、それを維持するために乳酸菌食品を特段必要としないとも限らない。その場合は下手をすれば一生食べ続けなければならないことになり、それはそれで心理的抵抗感が強い。
そんなことはまず直ってから気にしろという話もあるが。