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r-fukai's Diary ausf blogger

水曜日, 1月 05, 2005

奈良の女児誘拐殺人事件容疑者逮捕について

年は押し迫ってるわ、他にやることがあるわで大変だった12/30などという日に逮捕された奈良の女児誘拐殺人事件の容疑者だが、前記の理由で何かしら思うことはあってもこのように文章にまとめてみる余裕がなかった。
ざっとワイドショーを眺めた(というほどたくさん観たわけでもないが)限りでは、なんかマスコミはオタク叩きよりは、性犯罪者の再犯率の高さ(他の犯罪の再犯率がどうなっているのかの説明をワイドショーなどではしないので、果たして本当に性犯罪だけが再犯率が高いのかどうかが判らないのだけれど)を論点にしたいような印象を受けるので、自称ジャーナリストの大谷某がでっち上げた「フィギュア萌え族」なるわけのわからん犯人像については、別段語ることはないような気もしている。既にいろいろなところでいろいろな人がいろいろ言っているわけだし。
が、一度はここでも少しばかり話題にしたことだし、実際に捕まってみたらやっぱり異常性欲者(詳しい供述内容「本当は大人の女がいいが、金が掛かる」などなどを知ると、それらが本当ならばこれも少々怪しい)の男だったということなので、少しばかり考えてみたいと思う。
この手の事件の報を聞くとまず最初に思うのは、「頭が悪すぎる」ということである。場当たり的に、その時点での自身の欲求に、まったく大脳新皮質を使うことなく従った結果に見える。
私は、自分とあまりに知的能力が違う人間のことを忖度して物事を考えることを苦手としている(すなわち共感能力に乏しい、犯罪者になりやすい人格である)ので、もうこの辺りで論考を放り投げて「あーもう死刑でいいよ、死刑死刑。反省もしてないし、きっとまたやるから死刑」と言ってしまいたくなる衝動を押さえきれないのだが、自分で始めてみてすぐにそういう態度に走るのも大人気ないので、ぐっと我慢して考えを進めてみる。
で、改めて問いたいのは、「こいつ、本当にオタクなのかよ?」ということである。
以前のエントリでも書いたが、現代オタクライフを送るには、かなりの資金力を要する。言っては悪いが、新聞配達員の給料でオタクを続けていられるとは、私には到底思えないのである。ましてやフィギュアに手を出した日には、いくら金があっても足りなくなることは必定。ぜひとも大谷某は、秋葉の海洋堂ホビーロビー(大阪のでもいいけど)なりに足を運び、フィギュアがいったいいくらする商品なのかを自分の目で確かめていただきたいものである。ジャーナリズムは足が基本。曇った目では何も見えない可能性の方が高いが。
容疑者の自宅から体操服を着せた頭部のないダッチワイフやスクール水着を着せた人形が出てきたという報道もあるようだが「水着の中に下着や服を詰め込んで女性の体型をかたどったもの」などという代物は、どう考えても人形というよりはダッチワイフだろう。これをフィギュアと同一視できる奴はオタクでは断じてない。フィギュアオタクなのに、頭部のないダッチワイフで満足できるというのも、かなりおかしい。とか書くと、頭部のない人形にのみ反応するという人が見つかったりするのだけれど、とりあえずはこれは横道として措くことにする。
閑話休題。フィギュアもダッチワイフも人形だなどと一くくりに出来るのであれば、雛人形でも五月人形でも埴輪でもいいことになってしまう(造形的には顔のないダッチワイフよりはこれらの方がよほど高度だ)。まさか大谷某は埴輪が自宅にずらっと並んでいる人間をフィギュアオタクと呼ぶのだろうか?
だいたい、他のオタクの部屋を見たことがないかあったとしてもそれを意図的に無視しているとしか思えない。本当にフィギュアオタクなら、部屋がフィギュアであふれかえっていなければならないだろう。これまで、各放送局が流してきたオタクの部屋の映像を思い浮かべてみればいい。ビデオ100本? エロ本50冊?(100という報道もある) おととい来なさい、である。
オタクとコレクター性は切っても切り離せないものであるということも判らずに、オタクを語ろうなどと何故考えられるのか、私には理解しがたい。
理解できないものを、ある程度調べた上で、やはり理解しがたいと結論付けることは、別に悪いこととは言わない。だが、理解できないものを調べることもせずに最初から理解できないと放り出すことは、明らかに怠慢であるし、その怠慢を認識しているのかしていないのかは定かではないが、その状態で対象についてなにかを語るというのは、これは明らかに罪であると考える。どんな罪なのか、偏見という罪だ。
個人が馬鹿であり続けることは個人の自由だが、その言説に力があることは社会にとっては害悪であり、それは周囲からのツッコミによって馬鹿な言説であることが明らかにされなければならない。でなければ社会全体のレベルが下がってしまう。
聞くところによると、大谷某は自身へのツッコミを封殺するような言動もしている(内容証明の質問状を送ってきたことを非難していた。抗議や脅迫ではない。質問状だと自ら言っていた。どうやら質問することも許さないらしい。自身の論が論ともいえないような代物であるということに暗に気付いているのだろうか)ようで、こうなるともう手の施しようがないとしか言えない。
別に大谷某の発言を封じてしまおうなどとは思わない。ただ、世間の人間が大谷某の発言はいい加減で胡散臭いものであるという認識を持ってくれればそれでいい。それで充分だし、それ以外に望ましい解決は存在しないと考える。
ちなみに私が大谷某と書くのは、ちゃんとした名前を調べるのはめんどくさいしこんな不愉快な奴に手間をかけるのが惜しいからであって、それ以外の理由は特にない。テレビ朝日系のワイドショー番組などにコメンテーターとしてよく登場する大谷という人物が、二人以上いる場合にはどなたかご教授いただきたい。その場合には私が言及している大谷某以外の大谷さんに迷惑をかけないために、きちんと調べてフルネームで書くことにする。